比例道

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不動産投資はやめておいた方が身のためなんだが

最近,不動産投資の広告が多い.書籍もいくつも出ている.おそらく団塊の世代の退職金をねらっているのだと思う.これに安易に乗っては大事な資産を失うことになる.不動産投資は株式投資などに比べてリスクが大きいことを知らなくてはならない.

まず,日本の人口が減っていること,今現在日本の家屋の20%が空き屋であること,地方から東京へ人口の移動が起きていることを知らねばならない.この状況では,地方都市に賃貸住宅を持っても,入居者募集に苦労することは明らかである.しかも,それは時が過ぎれば過ぎるほど難しくなるのだ.地方都市の賃貸物件を借金してまで購入するのは自殺行為だ.購入費の元をとることはできないだろう.おそらく借金だけが残る.

不動産を買っても良いのは,お金が余っていて,キャッシュで不動産を買える人に限られる.それも山手線の内側に限る.百歩譲っても環8の内側だ(埼玉県,千葉県は除く).それら優良物件であれば,資産としての流動性もあるし,入居者も簡単に見つかるし,問題はない.ただし利回りは5%以下なのを覚悟しないといけない.銀行に預けるよりはマシって程度だ.

退職金をもらって運用したくなるのは分からんでもないが,悪いことは言わないから銀行に預けて何もしないことを勧める.不動産投資は退職金を失う最短コースだ.株式投資も若いころからやっているのでなければ,そうそう儲かるものでもない.銀行が一番である.近所の銀行に1000万円ずつ分けて預けておけば銀行がつぶれても大丈夫.安心だ.

私は以前住んでいたマンションが売れなくて,しばらく他人に貸していたことがある.大家業はそれはそれは面倒だった.やれ,エアコンが壊れた.やれ,壁の埋め込みスイッチが壊れた.やれ,ガス給湯器が壊れたと店子から連絡が入る.連絡は管理会社にフロント対応をまかせていたが,最終的には自分で決断して問題を解決しないとならない.その気苦労は半端ではない.いくら家賃をもらえるからって,大家業はもうこりごりである.そのマンションが売れたときは本当にありがたいと思ったものだ.