比例道

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F-35が成功するとは

2000年頃に次世代戦闘機の構想が明らかになった.通常戦闘機,地上攻撃機VTOL機艦上戦闘機を同じ形の機体で作る.しかも全部ステルス機にする.そしてVTOL機でさえ超音速機にすると.私は絶対失敗すると思った.何にでも使えるように作ると「何にでも使えないもの」ができるのが常だからだ.しかし,10年かけて本当に作ってしまった.通常戦闘機のA型と,艦上戦闘機のC型は航続距離2200km以上,VTOL機のB型でも航続距離1600km以上.最大速度はいずれもマッハ1.6.兵装搭載量はA/C型が8トン.B型が7トン.どれも十分な数字だ.こんな難しいプロジェクトを成功させるとは,アポロを打ち上げた国のことだけはある.大したものだ.

地上攻撃はA型の仕事だ.名機A-10の代替だ.A-10はステルス能力はないが,ミサイルを受けても銃撃を受けても耐えられる装甲で高い防御力を誇っている.それに対してF-35のA型はステルス能力で対ミサイル防御を行う.しかし低空での地上攻撃の際は対空射撃を受ける可能性がある.装甲はA-10ほどではないので弾が当たると脆いだろう.あまり低空に降りずに空対地ミサイルや誘導爆弾で地上攻撃をすることになるのかな.

日本の自衛隊はA型を購入することが決まっている.対中国との戦闘を考えるとB型も購入した方が良いなあ.できればライセンス生産もしたいところ.初期に後部胴体を含む4割近いライセンス生産も検討されたが,三菱重工業側から採算性の問題により断っている.そのため国内生産は部分的なパーツ生産に留まっている.防衛予算がもっと多ければ三菱重工ライセンス生産も実現したと思うのに残念だ.北朝鮮はともかく,中国は必ず攻めてくるから防衛予算は増やさなきゃ.国産の兵器を作るのなら経済の活性化にもつながる.雇用も増える.悪いことじゃない.というかやらないと国が滅びる危険があるぞ.中国は北朝鮮なんかとは比べものにならない危険な国だ.周りの国の人間のことなんかなんとも思ってない.チベットの悲劇,ウイグル族の悲劇がそれを物語っている.