比例道

月に1回更新します

化石燃料が枯渇する前に食料が足りなくなってきた

20世紀には,将来は化石燃料が枯渇するから,エネルギー問題こそがいちばん大事な解決すべき問題だと教わった.ところが,使っても使っても次から次へ石油は見つかり,今まで掘っても使えなかった低純度の油を使う技術もできて,石油が枯渇する心配はなくなった.枯渇はしないけど,燃やしすぎると地球温暖化を招くから注意しましょうという別の問題は生じた.そして人間は増え続け,世界人口は100億人を突破した.ところが世界の食糧供給力はあまり増えず(使える耕地はほぼ使い切ってしまったので),みんなで平等に分け合ったとしても112億人分しか作れない.それなら今は足りるはずだが,実際は無駄に食料を浪費している国があるから(日本もそうかもしれない),既に飢餓で苦しんでいる人が何億人もいる.これからも人口は増えるので,未来の食糧不足は必至の状況だ.この状況に人類はどうやって立ち向かうのだろう.

昔のSF映画を見ているのだが,化石燃料が枯渇したから太陽エネルギーを奪い合う云々という話だ.ああばからしい.これでは漫画だ.そして漫画だと思ってバカにしていた北斗の拳の世紀末の食料奪い合いの方がよほど現実的だった.

米中貿易戦争なんてどうでもよく,森友なんかもっとどうでもよく,カリアゲ君の核ミサイルもどうでもよく,政治家は未来の食料のこととか考えればよいのだが,そこまで深慮遠謀の人はいないか.それに日本は人口が減るから食料問題の優先度は低いかもしれない.しかし,完全自給している訳ではないので,避けては通れない問題だろうに.